店舗型ビジネスを始める場合の基礎知識

店舗型ビジネスの基礎知識

  1. ショッピングモールはA級からC級までいろいろあります。最初からA級ショッピングモールに入るのは、よほどの実績が無い限り無理でしょう。モール側からオファーが来ない限り入れないと思った方が良いでしょう。
  2. C級モールなら簡単に店を出せるので、まずはそこで実績を積むのが良いでしょう。話題になればA級モールからオファーが来ます。しかしA級モールの場合、出店地域を自分では選べません。全てモール側が決めた店舗に入るしかありません。
  3. ショッピングモールは、かなりの上から目線で接してくるので最初は驚くでしょう。フィリピンではテナントの立場は常に弱いと思って下さい。
  4. ショッピングモールに入りたい場合、いろんな資料をだして審査を受けなくてはなりません。出店イメージのパース、メニュー、戦略、資本のバックグラウンド、他国での実績などです。実績が無ければまず入れません。
  5. ショッピングモールの多くは、売り上げに対するパーセンテージを徴収します。最低家賃と売り上げ×何%を払います。POSシステムを導入させられて、売り上げを把握されます。
  6. ショッピングモールは常に立場が強いです。ある日突然、「ゾーニングを変更するから店舗を移動しろ」とか言われることもあります。何百万円もかけた内装費が無駄になります。文句を言っても「嫌なら出て行け」と言われて終わりでしょう。
  7. ショッピングモールで店舗を構える場合、図面の承認が要ります。デザインに関して細かいハウスルールがあります。その他、工事できる時間帯や、資材の搬入、使う材料などにも、いろいろと制約があるため、工事には時間がかかります。
  8. 店舗を構える場合、POSを導入する時は税務署の許可がいります。それが無いと、POSシステムを購入できません。ソフトウェアも認定されたものしか購入できません。かなり高いわりには、VATの計算も間違いだらけ、ちょっとカスタマイズするだけで金は取られるなど、嫌になるでしょう。
  9. 店舗を構える場合、POSを導入するか、導入せずに手書きの領収証だけでいくかは考えどころです。POSなら従業員の不正は減りますが、ごまかしが効きません。
  10. 飲食店をやる場合、酒類を販売する時は、市からリカー・パーミットを取得します。夜10時前しか販売できない許可と、夜10時以降も販売できる許可があり、年間費用が違います。
  11. 店舗を構える場合、看板を作りますが、その看板にもパーミットが必要です。さらにフィリピンでは、原則として、登記した会社名か商号しか看板に使用できません。「消費者が誤解を招くような行為」は禁止されているためです。いい加減なようでいて、厳しいです。
  12. チラシを配るのにも許可が必要です。路上でチラシを配っている人を、フィリピンではほとんど見かけないのはこのためです。
  13. プロモーションや割引クーポンなど、広告媒体に掲載するときは、全てDTIに事前に届けないとなりません。いい加減なようでいて、厳しいです。
  14. 店舗やオフィスを構えたら、SEC、バランガイ、市、税務署、PEZAの許認可証をすべて額に入れて掲示しなければならなりません。だいたい、7〜8枚になります。レストランに入ると、掲示されているのを見ることができます。
  15. 市役所と税務署は、たまに巡回しています。許認可を掲示しているか。オフィシャルレシートを使っているか。手書きの帳簿をつけているか。などのチェックです。表面的なチェックのみなので、その内容が正しいかどうかはチェックされません。指摘事項があれば数千ペソの単位でペナルティを取られます。