9Gビザのダウングレードには人によってさまざまな状態が存在し、複数の手続きが重なるため、大変理解が難しいです。ここではその9Gのダウングレード手続きについて解説します。
目次
ダウングレード手続きとは
- ダウングレードの申請(勤務していた会社に用意してもらう書類がいくつかあります)
- ダウングレードORDERの発行
- パスポートへのImplementation
を指し、さらに - ACRカードのキャンセル手続き
- ECC取得
までを含めて、「ダウングレード手続き」と呼ぶこともあります。
ダウングレードの大原則
- ダウングレード(9Gから9Aへステータス変更のこと)された後は、ECCがないと絶対に出国できません。
- 「ダウングレード申請し承認され、パスポートにImplementationされる」か、「失効日」のどちらかを迎えた時点で、9Gステータスは消滅します。
- 特段の手続きをせずに失効日を迎えた場合、9Gのステータスは失い、自動的にみなし9Aステータスとなりますが、 出国するにはDG手続きは依然として必要です。
- ただし国外で失効日を迎えた場合、次回入国時は9Aとなり、9Aステッカーが貼られます。この場合、特段のDG手続きは必要ありません(2024年現在)。
- ECCを取得するには30日以上の9A残存期間が必要なので、タイミングによっては、残存期間を満たすために9A延長手続きも必要となります。
- 9Gの連続期間が5年を超えると、事情は変わり、ダウングレード成立後、即帰国命令(Order To Leave:OTL)となります。書類も増えます。
パストートはイミグレにて保管され、搭乗直前まで戻りません。
即帰国命令(Order To Leave:OTL)とは
5年以上保持していた場合は、ダウングレード後はOrder To Leave(OTL)の対象となります。OTLが出ると15日以内に出国せねばならず、そのままフィリピンに滞在して新たな9Gを取得するような動きは取れません。パスポートはECCを申請時にイミグレに取り上げられます。その後、出国日は空港の所定の場所で待ち合わせをし、搭乗する直前までパスポートは手元に戻りません。登場時にはイミグレ職員により、出国の証拠として写真撮影されます。9Gを5年以上保持していてOTLの対象であるが、そのまま滞在したいという場合は、イミグレ職員に所定の手数料を支払えば可能です。また、OTLになったからといって、パスポートに何らかの記録が残るわけではありません。ORDERという書類に「Order To Leave」と書かれるのみですので、OTLになったからといって何か不利益となるようなことはありません。
一番簡単なのは国外で失効させてしまう方法
9Gの期限内に出国し、フィリピン国外で9Gの失効日を迎えることで失効させてしまう方法があります。この場合、再度入国したときは自動的に観光ビザ(9A)となり、いつものステッカーが貼られます。ACRカードのキャンセル手続きだけは、フィリピンへ郵送するなどして、完了しておく必要があります。
ダウングレードして、そのまま別の会社に再就職する場合
ダウングレード後に、そのままフィリピンで別の会社で再就職する場合は、失効の2ヶ月ほど前からダウングレード手続きを開始し、無事ダウングレードが完了したら59日間有効の観光ビザ(9A)のステータスとなります。そのまま観光ビザ(9A)を延長しながら滞在することも可能ですし、新しい会社で9Gを申請することも可能です。(ただし、このあたりの細かいルールは頻繁に運用が変わりますので、注意してください。)
また、ダウングレード手続きをしたときは、パスポートに「出国時はECCを取得せよ」のスタンプが押されますので、出国する時は必ずECCを取得しておかないと、絶対に出国できません。ダウングレード手続きをしてから、しばらくフィリピンに滞在していると、この「出国時はECCを取得せよ」のスタンプの存在を忘れ、うっかり空港に向かってしまうことがありますが、出国できません。これらをフローチャートにまとめると、下記のようになります。
ダウングレード手続きにおいて、出国ができない期間について
ダウングレード手続き中には、数週間、出国できない期間が存在します。
【「ダウングレード申請し承認され、パスポートにImplementationされる」か、「失効日」のどちらか早い方】
から【ECCを取得するまで】の期間が出国できない期間です。ダウングレード申請を失効日ギリギリに開始したらどうなるのか、失効してから開始するとどうなるのか、などこのあたりのお問い合わせが多いため、下図にまとめます。
青が出国可能期間、ピンクが出国禁止期間です。