フィリピン法人設立の際に決めていただくこと

法人設立

1.会社名を決めてください

  1. 会社名の末尾には 「Inc」 または 「Corp」 を付けます。
  2. フィリピン全土の法人名と重複していないか、SEC(証券取引委員会)によるチェックが行われます。
  3. 一般的な単語(ビッグワード)はほぼ通らないため、辞書に載っていない造語や独自性のある名称が通りやすいです。
  4. 候補をいくつかいただければ、こちらで重複チェックを行います。

2.株主を決めてください

  • 通常の株式会社(Stock Corporation)を設立する場合、個人株主が最低2名必要です。
    (法人発起人は人数に含まれません)
  • 株主構成は、最終ページの「フローチャート」により制限の有無が決まります。
  • 株主となる方には以下の情報が必要です:
    1. パスポートのコピー
    2. 住所
    3. フィリピンの納税者番号(TIN)。
      まだお持ちでない場合は、新規取得となります(設立費用に含まれます)。

■ 日本に住所があり、今回初めてTINを取得する方

  1. 申請書に署名いただき、横浜公証役場でアポスティーユを取得して申請します。
  2. この際、弊社への委任状に実印の押印と印鑑証明書が必要です。
  3. 実印登録がない方は、事前にご対応ください。
  4. 公証・手数料は以下の通りです。
    12,500 + 4,000 + 8,500 = 25,000円(税別)
  5. 複数人いらっしゃる場合でも、アポスティーユの費用は1回分のみで済みます。

3.役員を決めてください(Corporate Secretary / Treasurer)

Corporate Secretary(秘書役)
フィリピン人かつフィリピン在住である必要があります。
株を持つ必要はありません。
Treasurer(財務役)
外国人でも可能ですが、フィリピン在住者であることが条件です。
株を持つ必要はありません。
※名義貸しも可能です。詳細は下記「名義貸しについて」をご参照ください。

4.資本金を決めてください

資本金には3種類あります:

種類内容
A. 授権資本金SECの許可なく増資できる上限額
B. 資本金いわゆる「資本金」
C. 払込資本金実際に銀行へ入金する金額

■ 目安

特にルールはありませんが、売上が立つまでの運転資金数ヶ月分を基準に決めると良いでしょう。
過少だと増資しづらく、過大だと申請手数料が高額になります。

IT業種の一般的な目安:

  • 授権資本金:2,000,000 PHP
  • 資本金:1,000,000 PHP
  • 払込資本金:1,000,000 PHP

5.事業年度を決めてください

  1. 特に制限はありませんが、設立日との関係に注意してください。
    例:登録が2月20日、決算を3月31日とすると、すぐに決算提出義務が生じます。
    なるべく最初の決算までの期間が長くなるように設定するのが望ましいです。
  2. 多くの企業(約7割)が12月31日を決算日としていますが、この時期は会計事務所が繁忙期のため、別の月を選ぶことを推奨します。
  3. 日本法人と同じ決算日にしておくと、連結計算や比較がしやすくなります。

6.情報のご提出について

こちらで仮の情報を入力したエクセルファイルをお送りしますので、必要事項をご記入ください。
疑問点が多い箇所もありますので、一度打ち合わせの機会を設けることをおすすめします。

役員・取締役の名義貸しについて

弊社では、フィリピン法人設立時に必要なCorporate Secretary・Treasurer等の名義貸しを承っております。
以下は名義貸しに関する条件と注意事項です。

1.費用について

  • 役職に関わらず、1名あたり 2,000ペソ(VATなし)/月
  • Corporate Secretary、Treasurer も同額です。

2.費用に含まれる内容

  1. 含まれるもの
    • 完成済み書類への署名のみ
  2. 含まれないもの
    • 議事録・Secretary’s Certificate等の文書作成費
      ビザ申請時の同行費用など

3.支払い条件

  • 1月と7月に6ヶ月分の前払い
  • 支払い先は、名義を提供するフィリピン人個人宛です。
  • 公式請求書や公式レシートは発行されません。
  • 源泉税5%の対象となります。

4.名義貸し可能な範囲

出資比率社長名義貸し可能人数
外国資本(日本等)50%超日本人社長可最大4名
フィリピン資本50%超フィリピン人社長必須最大4名

5.その他の条件・注意事項

  • 事業内容が不明な場合は、名義貸しをお断りする場合があります。
  • 名義貸し社員が退職した場合は、弊社が別の社員に変更します(GIS更新含む)。
  • 名義貸しを他人に切り替える場合は、変更後のメンバーでGISを更新のうえ、弊社へ提示ください。
  • 弊社および名義貸し個人はいかなる法的責任も負いません。