フィリピンで「送り出し機関」を設立したい

日本や中東、ヨーロッパなどにフィリピン人材を派遣する「送り出し機関(Recruitment Agency)」を設立したいという相談です。
ここでは、フィリピン政府(DMW/旧POEA)のライセンス取得に必要な基本要件を簡単に整理します。

法的名称と所管機関

  • ライセンス名:License to recruit, process and deploy landbased workers
    所管官庁:DMW(Department of Migrant Workers)
  • 関連通達:DMW Department Circular No.01-2023

設立時の基本要件(簡易チェックリスト)

1. 法人形態と資本構成

  • 必須:フィリピン法人(Stock Corporation)
  • 外資制限:外国人出資比率は最大25%まで → 外資主導での設立は不可

2. 資本金要件

  • 最低資本金:₱5,000,000(500万ペソ)

3. エスクロー預金(保証金)

  • ₱1,000,000(100万ペソ)をDMW指定銀行に預託 → 労働者保護のための資金。引き出し不可。

4. オフィス要件

  1. 独立したオフィスを確保(シェアオフィス不可)
  2. 面接室・受付・業務スペースを含めること
  3. 家具、PC、看板等の備品を完備し、DMWによる現地視察あり

5. 経営陣・役員の要件

  • 全役員のNBIクリアランス提出(外国人は無犯罪証明書で代替)
  • 管理責任者(Administrator)はPre-Licensing Seminar受講必須

まとめ

項目 要件概要
法人形態 フィリピン法人(Stock)
外資規制 外国出資比率は最大25%
最低資本金 ₱5,000,000
エスクロー預金 ₱1,000,000(別口座・DMW指定)
オフィス面積目安 約30〜50㎡以上(面接室・備品完備)
その他 無犯罪証明書、セミナー受講、視察あり