De Minimis Benefits(少額給付)の非課税枠を大幅に引き上げ

フィリピンの税務当局(BIR)は、2025年に入り相次いで規則を改正し、De Minimis Benefits(少額給付)の非課税枠を大幅に引き上げました。

特に最新の改正であるRR No. 29-2025により、多くの項目の上限額がアップしています。以下に、2025年以前(旧規定)と、最新(RR 29-2025)の比較表をまとめました。

De Minimis Benefits 新旧比較表(2025年改正版)

項目 旧規定 (~2024年) 新規定 (2025年最新) 根拠規定
未使用有給休暇の現金化 (民間) 年間10日分まで 年間12日分まで RR 29-2025
扶養家族への医療現金補助

1,500ペソ/半年

 

(250ペソ/月)

2,000ペソ/半年

 

(約333ペソ/月)

RR 29-2025
お米手当 (Rice Subsidy) 2,000ペソ/月 2,500ペソ/月 RR 29-2025
制服・衣類手当 6,000ペソ/年 8,000ペソ/年 RR 29-2025*
医療扶助 (実績精算) 10,000ペソ/年 12,000ペソ/年 RR 29-2025
クリーニング手当 300ペソ/月 400ペソ/月 RR 29-2025
永年勤続・安全表彰

10,000ペソ/年

 

(原則、現物支給)

12,000ペソ/年

 

(現金・ギフト券も可)

RR 29-2025 / RR 4-2025
クリスマス・記念日ギフト 5,000ペソ/年 6,000ペソ/年 RR 29-2025
残業・深夜勤務の食事手当 最低賃金の25% 最低賃金の30% RR 29-2025
CBA/生産性インセンティブ 10,000ペソ/年 12,000ペソ/年 RR 29-2025

*注:制服手当は2025年1月に一度7,000ペソに引き上げられましたが、12月発表のRR 29-2025でさらに8,000ペソへ増額されました。

今回の改正の重要ポイント

  1. インフレ対応の増額
    フィリピン国内の物価上昇に伴い、お米手当や衣類手当など、ほぼ全ての項目の上限が約20%前後引き上げられました。
  2. 表彰における「現金支給」の解禁:
    これまで従業員表彰(Achievement Awards)は「現物(時計や盾など)」である必要がありましたが、現金やギフト券での支給も非課税枠内であれば認められるようになりました(RR 4-2025より)。
  3. 上限を超えた場合の取り扱い
    上記の上限額を超えた分は、自動的に課税対象になるわけではなく、「Other Benefits(その他の特典)」の枠(年間90,000ペソ)に算入されます。その合計が90,000ペソを超えた場合に初めて所得税の対象となります。