基礎知識

03 会社設立

  • 登記した住所で納税地が決まるので、どの住所で登記をするかは重要です。本社住所の変更によって納税地まで変更になると、煩雑な手続きが必要となります。つまり、本社の住所はよっぽどのことが無い限り、変更しないほうが良いでしょう。
  • バーチャル・オフィスでも登記をすると、住所を動かす必要が無いので、納税地の変更がありません。将来の事務手続きを軽減することができます。
  • バーチャル・オフィスで登記だけ先に完了させておくと、そのあとの取引が、なにかとスムーズにいくことが多いです。取引先に登記の提示を求められることがあるためです。
  • 所有しているコンドミを使って登記は可能ですが、その場所でビジネス・パーミットを取ることはできません。事業用に認められたコンドミであればOKです。
  • 本社として登記に使う住所は、①バーチャル・オフィス ②自社所有オフィス ③今後5年間は移動しないつもりのオフィス この3つのどれかから選んだほうがよいでしょう。
  • SEC登録で最初に行うのは社名の予約です。社名の予約だけで2〜3週間かかることがあります。最長では6ヶ月かかったこともあります。
  • 日本では同じ住所地に同一名称の法人が無ければ可ですが、フィリピンでは、フィリピン全土の法人名称との重複チェックをするためです。
  • 短い社名は、多くの場合、すでに使用されています。ビッグワードをいくつか並べても、すんなり通ることはまずありません。
  • 外資が1%でも入っている場合、Retail、Designなど外資規制にからむ言葉は、社名はもちろん事業の目的欄にも含めることはできません。Misleadingな社名は使用許可がおりません。
  • 社名の末尾は、Inc か Corpのどちらかとなります。incorporatedとCorporationの略ですが、意味は同じです。
  • 社名の末尾をかっこよくLtdにしたいと思っても、Ltd., Inc.かLtd., Corp.みたいな間抜けな形になりますので気をつけましょう。
  • SEC登録するには発起人が5人必要です。自然人が5人必要です。法人も株主になれますが、この5人には含むことができません。
  • SEC登録するには発起人5人のうち過半数がフィリピン在住でなくてはなりません。最近は「フィリピン在住の証明を出せ」と言われます。
  • SECのいう「フィリピン在住の証明」とは、ACRカードもしくはそれ以上のビザ保持者です。NBIクリアランスでも可です。
  • SEC申請書に署名をしますが、日本で署名をした場合は日本での公証と認証という手続きが必要となります。フィリピンで署名をしたことにすればよいのですが、渡航記録を提示する必要があります。
  • 資本比率と取締役の国籍の比率は、同じか、安全側にする必要があります。つまりフィリピン資本が60%以上と決められている事業なら、取締役の5人のうち3人はフィリピン人でなければなりません。
  • フィリピン:日本が60:40の会社はよくある形態です。この場合、社長はフィリピン人である必要があります。
  • SECで法人登記の書類をチェックするのはSECの弁護士です。約款に記載された事業の目的欄は、かなり厳しくチェックされます。
  • SEC登録は受理されれば必ず7営業日程度でおります。フィリピンで最も簡単な手続きの一つでしょう。
  • 外資割合が40%を超える場合は書類が数枚増えるだけで、手間はほとんどかわりません。
  • 外国人に飲食業は認められていません。フィリピン人の株主を5人集める必要があります。知り合いに頼るより、コンサルから名義を借りた方が安全です。
  • 外国人に小売業は認められていませんが、資本金を250万ドル用意し、各種条件をクリアすることで参入は可能です。
  • 外国人が小売業をできませんが、卸売業であれば可能です。
  • SEC登録するには、株主は全員、税務署にて納税者番号(TINナンバー)を取得する必要があります。必要な書類はパスポートのみです。
  • 外国人もしくは外国企業が納税者番号(TINナンバー)を取るには、ケソン市の税務署本部へ行く必要があります。その他の管轄では受け付けてくれません。
  • 外国企業が出資する場合、その外国企業も納税者番号(TINナンバー)を取得しなければなりません。日本の企業であれば、法人の登記簿(現在事項証明書)のスキャンがあれば取得可能です。
  • 発起人の名前や住所は、第三者が閲覧可能で、永遠に消えることがありませんので注意が必要です。
  • 輸出型の事業を行うのであれば、外資100%での法人設立が可能です。ただし事業の目的がネガティブリストに載っていないことが条件となります。
  • ネガティブリストの抜粋。マスメディア、専門的職業、小売は参入不可。雇用斡旋25%。広告30%。その他は40%だが資本金20万ドルで100%可。輸出も100%可。
  • フィリピン国内向けのサービス業であっても、20万ドル超の資本金であれば外資100%で設立可能です。ただしネガティブリストに載っていないことが条件となります。なお、飲食はサービスではなく小売という扱いですので外資は不可です。
  • 教育関係の事業には外国人は参入できません。憲法で定められています。
  • 建築士、会計士や弁護士など、いわゆる「士業」に外国人が参入することはできません。
  • Corporate Secretary(書記役)で、簡単にいうとオフィシャルな書類を作成したり署名をするのが仕事です。弁護士を書記役にすることが多いですが、弁護士は不在がちで署名をもらうのが大変なこと、外す時のことなど、留意が必要です。
  • Treasurer(財務役)は1年に1回、決算報告書に署名する以外、ほとんど仕事がありません。かといって日本にいる人を任命すると、署名をもらうのが大変なので、留意が必要です。
  • SEC登録する時に、資本金を銀行に入れて預金証明書を提出する必要がありましたが、2016年から不要となりました。現実的には口座がなくても会社ができてしまうことになります。
  • SEC登録に関係する役所は3つあります。SEC、税務署、イミグレーションです。税務署では納税者番号(TINナンバー)をとり、イミグレでは在住の証明としてACRを取ります。
  • SEC登録が完了したら、すぐに税務署に行って印紙税を払います。登記の日付の翌月5日を過ぎると、納税額の30~45%のペナルティがかかります。
  • セブでSEC登録をすると、登記が完了しても納税者番号(TINナンバー)が付与されないため、印紙税を払いたくても払えない状態となります。制度の明らかな不備ですが、最近解消されたという話も耳にしました。
  • Stockholder(株主)がDirector(取締役)を選びます。そのDirector(取締役)がOfficer(役員)を選びます。Officerとは、社長、財務役、秘書役の3名。これが最低限です。
  • 会社を設立する時は、発起人がお金を持ち寄って、銀行にあずけ、法人を登記する。その発起人たちのことをIncorporatorsといいます。この発起人の名前はSEC登録証に永遠に残ります。
  • Corporate Secretary(秘書役)というのは、賃貸契約、銀行口座開設、ビザ申請などの重要契約行為について、「その申請は会社の意思として間違いないです」「この人物は本当に今の社長です」と証明する役です。
  • Corporate Secretary(秘書役)というのは、フィリピン在住のフィリピン人でなければなりません。
  • Corporate Secretary(秘書役)というのは、弁護士でなければならないと思っている人が多いようですが、フィリピン人なら誰でも可です。書類の意味を理解できる人のほうが良いでしょう。
  • Treasurerというのは、財務関係の監視役です。決算報告書に署名する以外、ほとんど仕事がありません。外国人でもなることができます。
  • 会社の重要事項決定には、取締役の3分の2以上の賛成が必要です。3分の2以上を握られると、銀行口座の開設、閉鎖、資産の売却、なんでもできることになります。
  • 1株の価格が高い株と低い株の2種類つくって、安い方をフィリピン人株主、高い方を日本人株主に持たせるというA株B株方式というのがあります。名義を貸してくれるフィリピン人が多額の出資を行うのを避けるために使います。
  • 法人が株主になっている場合、その法人が持つ議決権は、取締役会があるたびに、だれかに委任します。法人は自然人ではないから、投票行為はできません。
  • ひとことで資本金といっても、フィリピンではAuthorized Capital(授権資本金)、Subscribed Capital(発行済み株式)、Paid-up Capital(払い済み株式)の3種類があります。資本金といえば、2番目のSubscribed Capital(発行済み株式)を指します。
  • Authorized Capital(授権資本金)というのは、「その金額まではSECの承認なしで増資してよい」という上限のことです。あまり増やすと、登記するときの費用が高くなります。かといって低すぎると、変更する手続きが煩雑となります。4Mくらいが多いようです。
  • フィリピンでは、設定した資本金のうち、とりあえず25%だけを現金で集めておけば良いことになっています。その集めた分をPaid-up Capital(払い済み株式)といいます。
  • 資本金の決め方は、一般的には、当面の運転資金が確保できるくらいです。資本金が小さいと、借り入れが必要となり、すぐに債務超過となってしまいます。1M以上が良いでしょう。
  • 資本金が小さいことのメリットは、登記費用と印紙税が少額で済むことです。デメリットは利益を留保した時に不当留保課税がかかりやすいことです。累積赤字が資本金を下回り、「継続させている理由はなんなのか」とマークされる可能性が高くなります。
  • 資本金が大きいことのメリットは、利益を留保しても不当留保課税がかかりにくいこと。労働ビザなどが多少おりやすくなること。それと国内向けサービス系なら、20万ドルで外資100%にできることが最大のメリットです。
  • SEC登録証は、①登録証 ②Articles of Incorporation ③By Lawsこの3つがホチキス止めされています。
  • 自分の会社のSEC登録証の表紙で分かることは、①納税者番号(TINナンバー) ②SEC登録番号 ③社名 ④設立年月日この4つです。但しセブで登記すると納税者番号(TINナンバー)は書かれていないことがあります。
  • フィリピンでは登記した名称しか、使用できません。もしABC INCという会社が、DEF COFFEEというカフェをやりたい場合、ABC INC. Doing business under the name of “DEF CAFE”というようにSEC登録に記載されていなければなりません。勝手にサービス名を使うことは不可です。
  • SEC登録に記載する「会社の目的」はPrimary PurposeとSeconday Purposeと2つ書けるようになっていますが、実際にはいくつでも記載でき、関連性の低い事業であっても、SECから指摘が入ることは今のところありません。
  • 事業を始める場合、類似した事業をすでにやっている会社のSEC登録を取得して、その会社の目的欄などをチェックすることは、有効な方法です。何が許可されていて、何が不可なのかがわかる場合があります。
  • 自分の会社のSEC登録の「会社の目的」の欄をの欄に「Without doing 〜〜」という但し書きがある場合、その行為は禁止されています。もしそれに違反していることを、それが競争相手に知られると、密告される場合があります。
  • SEC登録には本社の住所のみ記載し、支店の住所等は記載しません。
  • SEC登録の時点では、役員が決まっていなくでも構いません。役員というのは、会社を設立した後、すみやかに株主総会を開き、選挙で選出することになっているためです。役員が決まっていない場合は、役員の欄を空欄にしておきます。
  • SEC登録の時点で、発行する株の1株価格と、株式数を記載します。1株価格は英語でPar Vaueといいます。
  • SECへは毎年、①監査済み決算報告書及び②GIS を提出しなければなりません。GISとはGeneral Information Sheetの略で、株式の発行状況、株主リスト、取締役リストなどをA4数枚の紙にまとめたもので公的機関、銀行などからたびたび提示を求められます。
  • SECへ提出された、登記書類、記載事項変更、GIS、決算報告書は、どんなに小さな会社のものであっても、WEBで第三者が閲覧できます。
  • SECへ提出された書類は、SEC i-viewというシステムを使って、第三者が閲覧できます。10年以上も前の古いシステムでな、いざやろうと思うとセキュリティの警告が何十回も出て、実際に使うのは大変骨が折れます。プリペイド式なのでSECへ行ってお金を払い込んでおく必要があります。