基礎知識

04 賃貸契約

賃貸契約書のチェックポイント

  1. VAT込みか否か。相手が事業として登録しているなら、VATを乗せてくるし、オフィシャルレシートももちろん出ます。事業として登録していないなら、VATは無しで、オフィシャルレシートも出ません。
  2. オフィシャルレシートが出るか否か。相手が事業として正式に登録をしていない限り、オフィシャルレシートは出ません。家賃は経費としては大きな要素なので、フィシャルレシートはもちろんあったほうが良いです。
  3. 源泉後の金額か、源泉前の金額か。5%源泉してOKというところは、優良大家ですが、怒り出す大家は、付き合わない方が良いでしょう。
  4. 更新時の値上げ。明記してあれば、来年、それに従わざるを得ません。明記されていなければ、交渉次第となります。家賃アップがゼロというのは、フィリピンではまずありません。通常、5%〜10%の間となります。
  5. 前家賃は、いつ使えるのか。すぐに使える場合と、契約の最後まで使えない場合とがあります。「3年契約の最後に充当」などの場合、最初にかなりのキャッシュが出て行きます。途中解約すると、その前家賃まで没収しようとするオーナーもいますので、注意が必要です。
  6. 途中解約時に没収されるのは、Security Deposit のみなのか。Security Deposit のみならまだ良いのですが、中には「未充当の前家賃まで没収」とか書いてあることもあります。
  7. 固定資産税が借り主負担になっていないか?多くの場合、大家負担ですが、時折、借主負担と書いてある契約書があります。経験上、こういった物件は借りないほうが良いと思います。
  8. 印紙税。テナントから印紙税分を徴収だけして、実際には税務署に払わないオーナーがほとんどでしょう。
  • フィリピンでは、大家の方が圧倒的に立場が強いです。どの大家も「貸してやっている。嫌なら出て行け」というスタンスです。
  • マカティ地区のオフィスの空室率はほぼゼロです。めぼしいオフィスを見つけたら、数日以内にデポジットを払うくらいのつもりでいたほうが良いでしょう。さもないと、すぐに誰かに取られてしまいます。
  • 賃貸契約をするには何が必要か。AクラスBクラスの物件だと、SEC登録、事業許可、税務署登録を出せと言ってきます。その場所で初めての事業である場合、当然、これらを提示することはできませんので、相手との交渉が必要となります。
  • 物件を借りるにはSEC登録が必要、会社を登録するには住所が必要です。こういった卵と鶏現象が頻繁に起きます。
  • Letter of Intentというのは、たとえば賃貸契約でいえば「私はこういう者です、あなたの物件を借りる意思があります」と書いたレターのことです。それすら用意できない会社は借りる交渉すら開始できないということになります。
  • オーナーから見て、「このテナントとは連絡がとりにくそうだな」と思われると、賃料を1年分の前払いをさせられることが多くなります。
  • めぼしい物件を見つけても、お金をデポジットしないかぎり「予約」することはできません。中には、デポジットしても別のテナントに貸してしまうオーナーもいます。オーナー側にもテナントを選ぶ権利があるので、仕方がありません。
  • コンドミの一室では、基本的にビジネス・パーミットが取れません。商用に認められたコンドミであればOKです。市役所で調べればわかります。
  • 気に入った物件があり、ブラっと管理事務所に行っても賃料などの情報を簡単に教えてくれることはありません。フィリピンはこう見えてもとってもガードが堅いです。
  • 借りるビルで働くアドミの人間の態度には、腹がたつことが多いでしょう。長い付き合いになるので、アドミの態度は重要です。
  • フィリピンに来たばかりの日本人には、なかなか物件を貸してくれません。オーナーは貸す相手を慎重に選ぶ傾向があります。
  • オーナー側が何を言おうが、デポジットを払うまでは、契約は簡単に流れます。「こっちの決断を待っていてくれている」と思い込まないほうが良いでしょう。
  • お金さえ払えば、誰にでも物件を貸してくれるわけではありません。貸す方も変なテナントに貸したくないので慎重です。そのためいろいろな書類を出すように要求が出てきます。与信調査みたいなものです。
  • 賃貸契約書は大きな契約です。上に列記したチェックポイントを見ながら、詳しい人に聞いたほうがよいでしょう。VATの扱い、源泉徴収の扱いを、まずはチェックしましょう。
  • 家賃は源泉徴収5%の対象です。源泉をしているのを知らないと、ある日大家から「2307を出せ」と言われますので、理解しておく必要があります。
  • 家賃は5%を源泉して払いますが、相手の納税者番号(TINナンバー)がわからないと、申告ができません。大家の中には、「納税者番号(TINナンバー)を絶対に教えない」とかいう人もいます。そういう物件は借りないほうが無難でしょう。
  • たとえ契約を満了したとしても、セキュリティデポジットは、もどってこない事も多いです。「一度財布に入った物は返さない。」これがフィリピン人がもつ共通の感覚です。ほとんどの人は預けていることも忘れてしまうので、オーナーはそれを期待している節があります。
  • 測量したら契約書にかかれた広さより、10%も小さかった、なんてことはよくあります。共用の廊下が面積に入っていたこともあります。
  • 家賃を滞納したような場合、オーナーは、会社名義の契約であっても、署名をした個人を追いかけます。法人格を最初から信用しません。
  • ビルのエアコンは多くの場合、5時で止まります。自前のエアコンを設置できないビルは、暑くて残業ができないでしょう。
  • かといってビルエアコンの時間外延長を頼むと、たいへんな費用がかかります。できれば自前のエアコンを設置できるビルを借りたいところですが、そのようなビルの多くは老朽化したビルです。
  • オフィスを借り続けるということは、「儲かっている」と解釈されるのが普通です。「カネはあるところから取る」がフィリピンの基本の考えですので賃料交渉は難航するでしょう。
  • 家賃を滞納すると、大家の態度は豹変します。水を止める、電気を止める、入り口に鍵をかけるなど、実力行使にでてきます。金こそが全てで、気持ちとかつきあいとか、そういうものは関係ありません。