戸籍謄本とアポスティーユの関係について
就労ビザに、配偶者や子供を含める手続きを行う際に、イミグレーションはMarriage Certificate、Birth Certificateを要求する。これはフィリピンの社会システムではMarriage Certificate、Birth Certificateというものが存在するので、それを他国にも流用しているためである。当然のことながら、日本にはMarriage Certificate、Birth Certificateというものは存在しない。
過去14年間は、戸籍謄本を在マニラの日本大使館に持ち込み、 Marriage Certificate、Birth Certificate を作成してもらい、それを使用していたのだが、このたびイミグレーション(BI)が「アポスティーユ(Apostille) もしくは DFAの認証 を取れ」と言ってきた。
そしてMarriage Certificate の原本は返してくれないため、行き詰まりの状況に陥った。
方法1 DFAにて大使館印に対する公印確認を得る
大使館がMarriage Certificate、Birth Certificateに押印したスタンプに対して、フィリピンのDFAにて公印確認を取る方法。DFAは予約制のため、ある程度の日数が必要。また、一旦イミグレに提出したMarriage Certificate、Birth Certificateは返却されないので、イミグレに提出する前にDFAへ持ち込む必要がある。
すでにMarriage Certificate、Birth Certificateをイミグレに提出してしまい、手元に無い場合は、再度戸籍謄本を取得し、マニラの日本大使館で証明書を作成してもらい、それをDFAへ持ち込む必要があるので、2週間で完了できるかはかなり微妙。
方法2 日本でMarriage Certificate、Birth Certificateを作成する
- 日本で戸籍謄本(婚姻事項入り)を再取得
- 外務省で戸籍謄本に押印された地方自治体印に対するアポスティーユを取得(郵送。月曜日に外務省に到達したものは木曜日に発送される。)
- 戸籍謄本をもとに、Marriage Certificate、Birth Certificateを誰かが英語で作成(翻訳者Aとする)
- 翻訳者Aが「原文に基づく翻訳である」旨を宣誓し、公証役場にて公証+アポスティーユを取得(東京、大阪の一部の公証役場でのみ、公証とアポスティーユが一度に可能)し、前述の外務省アポスティーユとセットで綴じ込んでもらう。
- 一式をフィリピンへ送付(BIに提出)
このセットは “Apostilled Family Register + Certified English Translation” として扱われ、
事実上、Marriage Certificateと同等の効力を持つ。
まとめ
- 大使館発行のMarriage Certificateはイミグレが公式文書として認めなくなった。
- 日本の戸籍謄本の公印に対してアポスティーユを取得した上で、翻訳を添付し、その翻訳先生書に対してさらに公証+アポスティーユを加えることで、フィリピンのイミグレーションでも正式に受理される