フィリピンで会社設立をする前には、現地の法律を知っておかなければなりません。近年ではフィリピンの会社法が2019年に改正、施行されました。ここではフィリピンの改正会社法の概要や旧法との相違点、改正会社法に基づく現地法人の設立手続きについて詳しく説明します。
フィリピンでは、2019年に現地での会社設立に大きな影響を与える改正会社法が成立、施行されました。旧法との主な相違点について解説します。
旧法においては、自然人だけが発起人になることが可能で、発起人の人数も5名以上15名以下と定められていました。しかし今回の法改正によって、自然人のみならず法人や組合についても発起人となれるようになったのです。
また、発起人に関する最低人数のルールも廃止されたので、一般の株式会社であれば、最低3人の発起人がいればOKということになりました。
旧法では、過半数の発起人がフィリピンの居住者であることが必要だったのですが、今回の改正によってこのルールも廃止されました。そのため、発起人のすべてを非居住者にすることも可能になったのです。
また、旧法においては法人の存続期間は最長50年と定められていましたが、改正会社法では、定款に別途の定めがない限り永久に法人を存続できるようになりました。
なお、旧法に基づいて設立された会社は、株主総会で「先に定めた存続期間を維持する」という内容の議決が行われない限り、永久に存続することが可能とされています。
旧法では新たに法人を設立する場合、授権資本額の25%相当を発起人が引き受けて、当該する引き受け株式の25%相当の資本金の払い込みが必要である、という要件が定められていました。
改正会社法ではそうした条文が廃止され、他の法令による最低資本金の規制のみになっています。
フィリピンにおいて現地法人を設立するためには、外国企業の場合100%子会社をフィリピンに設立することによって事業を行うことが可能になります。この子会社はフィリピン国内企業なので、フィリピンの国内法に基づいて設立された、親会社とは別人格の法人なのです。
したがって、他の会社の設立形態と比較すると自由に経営判断を行うことが可能であり、最もポピュラーなフィリピンへ進出する会社のタイプとなっています。
ただし、「外国投資ネガティブリスト」に記載されている業種の該当するような企業に関しては、最低資本金規制、持ち株規制が定められているので、事前に確認することが必要です。
1.SEC(Securities and Exchange Commission、証券取引委員会)に登録
現地法人を設立する場合には、事業開始申請書、社名確認書、定款、付属定款、送金証明書、預金証明書、登録情報シート、財務役宣誓書といった必要書類を準備し、SECに登録しなければなりません。
2.中央銀行への登録
資本金として送金した金額は、フィリピン中央銀行に対して外国投資として登録することが可能です。
3.バランガイ(Barangay)からの許可証取得
子会社の所在地を管轄しているバランガイ(Barangay)からの許可証を取得しなければなりません。一般的にバランガイ事務所からは、SECの登録証書とオフィスの賃貸契約書の写しを提出することを求められます。
4.事業許可証(Business permit)の取得
現地法人の所在地を管轄している地方自治体から、事業許可証を取得する必要があります。なお、事業許可証は毎年更新することが必要です。
5.住民税納付証明書(Community Tax Certificate)の取得
現地法人の所在地を管轄する地方自治体で住民税を納付して、証明書を取得しなければなりません。事業許可証と同様に住民税納付証明書も毎年更新が必要です。
6.納税者識別番号(Taxpayer Identification Number)の取得
現地法人の所在地を管轄する税務署から、納税者識別番号を取得する必要があります。申請の際にはSEC登録証書の提示が必要です。なお、最近はSEC登録と同じタイミングで納税者識別番号が与えられています。
7.納税者登録
申告が必要な税金の種類を確定するための納税者登録を、現地法人の所在地を管轄している税務署に申請しなければなりません。申請が承認された場合に登録証明書が発行されます。税務署登録も毎年更新手続きが必要です。
8.設立後手続き
現地法人の設立から30日以内に株式及び株主台帳の登録を、SECに対して実施する必要があります。また、年次株主総会の開催日から30日以内に年次報告書をSECに提出する必要もあります。
フィリピンでの会社設立時には、旧法との違いや手続きの流れについて事前に把握しておくことが大切です。改正会社法で新たにフィリピンに会社を設立する場合の要件が緩和されたことから、今回の会社法改正はフィリピン進出を検討している企業にとっては追い風になる可能性があります。
会社設立をご検討中の方は、オフショア・マネジメントまでお気軽にご連絡ください。会社法改正に対応した会社設立を代行いたします。
会社名 | Offshore CAD & Management Inc. |
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代表者 | 林 秀生 |
住所 | 12F Jaka Bldg., 6780 Ayala Ave., Makati City, MM, Philippines |
電話 | +63-2-720-8760 |
info@offshorecad.com.ph | |
設立 | 2007年9月1日 |
主な事業内容 | 法人設立、許認可、税務申告、ビザ代行 |
アクセス | マニラ国際空港から車で30分ほどのところにある、マカティと呼ばれるビジネス街の中心に位置します。 |
会社名 | 株式会社オフショアキャド |
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代表者 | 林 秀生 |
住所 | 神奈川県横浜市 |
電話 | 045-947-2245 |
info@offshorecad.com.ph | |
設立 | 2017年7月4日 |
主な事業内容 | CADによる建築意匠図、フィリピン進出に関するコンサルティング |
URL | https://www.offshore-management.com.ph/ |