階級社会について

先日、会計部門のリーダーから、「小払いレシートの入力が大量にあって大変なので、○○に手伝って欲しいのだけどよいか」と聞かれました。
これは、パッと見、特に問題ないようにも思えたのですが、リーダーに対する最近の下からのヤッカミなどを見て、下がリーダーの案件を手伝うことにはOKを出しませんでした。
リーダーが抱えている仕事が大変な時、下に手伝えと言うことができても、下が大変な時は、下はリーダーに手伝って欲しいとは言えません。
小払いレシートの入力はどのスタッフも抱えている単純作業なので、いっそのことレシート入力専門スタッフを雇うことにしました。

以前から、仕事を単純作業とやや難しい作業に分けて、単純作業だけをするスタッフを雇うアイデアはあったのですが、「どうせ時間が経てば単純作業以外のこともやりたくなって、つまらなくなって辞める」という意見もあり、見送っていました。私自身も、厨房で、何年も玉ねぎの皮をむくような仕事をさせてよいのだろうか、という葛藤もありました。

一方、今の体制になってから、2年ほどチーム態勢には変化がないです。ということは、最後に入社したスタッフは2年経ってもまだ一番下で、これはつまらないだろう、という思いもあり、更に下のランクである「入力専門スタッフ」を雇うことにしました。

昔、士農工商の下にさらに下層の階級を作ったという話がありましたが、一番下の階級の更に下を作って、人々に「俺にもまだ下がいる」と感じさせる意図だったと聞いています。

フィリピンはかなり強烈な階級社会なので、これ似たような感覚があります。どの会社でもメッセンジャーボーイやユーティリティボーイが雇いますので、末端のスタッフが「俺たちは一番下じゃない」と感じることが出来るわけです。そしてたまにそのボーイたちに食事などを施してやったり、「ボーナスをあげてやってくれ」みたいなことをマネジメントに進言して、「ちょっと良いことをした」という気分を味わったりすることがあります。
また、仕事を下の誰かに教える、という体験も、成長には欠かせないものです。

入力専門で雇うスタッフには採用時から「入力専門」といい切ることが重要です。
やる気と能力があれば、もっと上位の会計の仕事ができるようになる、などと言って野心を抱かせてもややこしくなるだけです。
まだ採用を決めただけで出社はまだですが、ついに自分たちが自由に指示を出せるメンバーが加わるのですから、スタッフが会計スタッフたちの喜ぶ顔が目に浮かびます。

また何か問題があれば記事にします。