賃貸契約における失敗

賃貸契約も、フィリピンに来たばかりの日本人にとっては難易度が低くはありません。
一番多いのが、「契約の最終段階まで進めていたのに、突然、『他に貸すことになったので貸せなくなった』と言われた」というものです。

賃貸契約の章で詳述しますが、「借りられると思っていたのに借りられなかった」というトラブルには、いくつかの理由があり、そういう事態を防ぐことは可能です。
賃貸契約というものは、なかなか複雑なものです。
デポジットの扱い、税金の扱い、解約時の条件、翌年の上昇率など、押さえておくべきポイントがいくつかあり、熟知していないと交渉にもなりません。
また、大家側は、契約書を守っているのに、日本人側が賃貸契約書の内容を理解していなかったがために、「理不尽な要求をされた」と思い込むケースもあります。

源泉徴収は、よく揉めるポイントです。
借り手・貸し手双方に、源泉徴収に関する知識が無いため、契約時にかなりの“調整”が必要になることが普通です。
以前、あるお客様の代理で商業スペースを借りたとき、「税務署に補足されたくないので、経費として申告するな。申告するなら貸さない」と主張するオーナーに会ったことがあります。
商業スペースを貸しているのだから、相手が家賃を経費申告することは当然であるはずなのに、こういう常識では考えられないオーナーに遭遇するのがフィリピンです。

この記事は2014年頃に作成したものの転載です。物価、時代背景などは当時のままですのでご了承ください。