ビザに関する失敗

多くの日本人の頭を悩ますのが「ビザ」です。

先日、私の会社はイミグレーションの認定代理店資格を取得しましたが、いまだに制度の細かい部分については、毎回申請をするたびにアップデートが必要になっています。どういうときに何が必要で、どういうときに必要では無いのか、今はどういう状態なのか、いつまで待てばその手続きが終わるのか、複雑怪奇な専門用語と略語など、社員の説明を何度も聞かないと理解しづらいです。フィリピンのビザ発給のシステムは複雑です。

一般的によく出てくるのが9Gビザと呼ばれる就労ビザですが、取得するのに3ヶ月から6ヶ月かかります。取得できたと思ったら、すぐに更新の時期となります。
PEZAビザの場合、ビザの切れる30日前までに更新手続きが受理されないと、観光ビザに落ちてしまい、また数ヶ月かけてビザを取り直さなければならない事態となるため気が抜けません。

Aという会社で9Gビザを取得していた者が、A社を退職しB社に就職する場合は、一旦A社の9Gビザを観光ビザにダウングレードをし、B社として再申請するという形になります。
この手続きは、A社から多くの書類を取り寄せなくてはならないため、退職をしたA社の協力が不可欠となります。
通常フィリピンでは、取引関係が切れた会社というのは、徹底して非協力的であるのが普通なので、このダウングレード手続きは一般的にはなかなか進みません。

こういった煩雑さに頭を抱えていると、弁護士が、「特別なコネを使って、特別なビザを1人100万円で取ってやる。あと2名分しか空きがないから急げ。」と言い寄ってくることがあります。いわゆるクオータービザです。
このクオータービザにもトラブルが多く、お金は支払ったのに、1年経ってもビザが下りない、という話はよく聞きます。

オフショア・マネジメントでは、申請した9Gビザが下りなかったということは一度もありませんが、一度だけ危なかったことがあります。ビザ申請者が、弁護士との面接の時に非好意的な態度をとってしまったときです。ビザの許可は国の専権事項であり、国側にビザを必ず発給しなければならない義務はありません。態度が悪ければそれだけで申請は否認されます。
その時は、なんとかビザは下りましたが、今後申請をする人は、面接時の態度や服装には十分気をつけましょう。