市役所で行う主な手続き

市役所で行う手続きには主に3つあります。

  1. ビジネス・パーミット
    事業を行う場合、必ず市から営業許可を取得しなければなりません。それがこのビジネス・パーミットです。
  2. ビルディング・パーミット
    日本で言う建築確認申請です。どんな小さな内装工事でも、建前としてはビルディング・パーミットを取得しなければ着工してはいけません。
  3. オキュパンシー・パーミット
    日本で言う検査済証です。工事が終わった後に検査を受け、使用の許可を受けます。それがこのオキュパンシー・パーミットです。

ビルディング・パーミット

ビルディング・パーミットは最も骨の折れる申請のうちの一つです。
日本とは異なり、どんな些細な内装工事でも、建前としてはビルディング・パーミットを取得しなければ着工してはならないことになっています。ビルのオフィスを借りるような場合、ビルディング・パーミットを取得するまで、ビル側が工事を許可しないことがほとんどです。
一般的には、工事業者が申請を行います。図面を作成し、資格をもつエンジニアが図面や申請書類に署名をして、初めて受理されます。

必要書類を完全にそろえて提出しても、1ヶ月か2ヶ月は、市役所の役人は図面を開きもしないのが普通です。ビルディング・パーミットにおいては、担当者に金銭的な謝礼を渡す習慣がいまだに残っているため、おそらく、その“謝礼”が出てくるまでは、図面を開かないのだろうと思われます。
ビルディング・パーミットを専門に行うコーディネーターという職業も存在し、「審査を早く進めるために○○万ペソ用意してください」と言われます。ただ、その全額が相手に渡っているのかというと、それもよくわかりません。なにしろ領収証が出ないので、全てはブラックボックスなのです。

幸運にも、ビルディング・パーミット審査の流れに乗ったとしても、実際の審査は、数カ所の部門が持ち回りで審査を行うので、たいへんな時間がかかります。役人は、なぜか外出と欠席が多く、やれ出張だ、やれチームビルディングだ、やれ休暇だ、と言っては業務をストップさせます。
フィリピンの許認可は決裁者の署名が全てなので、その決裁者がいなければ前へは進みません。いつ許可が降りるのか、全く分からないのです。
フィリピンで最もイライラする許認可のトップ3に入るでしょう。

オキュパンシー・パーミット

日本で言う検査済証です。工事が終わった後に検査を受け、使用の許可を受けます。それがこのオキュパンシー・パーミットです。

ビジネスパーミットを取得するには、現状の内装の状態で取得したオキュパンシー・パーミットが必要です。
オキュパンシー・パーミットを取得するには、現在の内装工事を行った時に取得したビルディングパーミットが必要です。

よって内装を居抜きで借りた場合に、もしオキュパンシー・パーミットが存在しないとなると、ビルディング・パーミットから取得する必要が出てくるため、半年から1年の期間が必要になります。