採用時のインタビューで質問すること

この記事は2003年頃(35歳のとき)に書いたものの転載です。物価、社会情勢等は当時のままですのでご了承ください。

●新入社員を採用するときに、必ず聞くようにしていることがいくつかある。

●まず第1に住んでいる場所。
ブラカンやカビテのように遠い場所に住んでいる人は、毎日残業があると、現実的に体力が持たない。面接のときは、みんな必ず「残業も問題ありません」と元気よく言うのだが、通勤に2時間かかるような場所から通って、問題がないわけがない。
そういう場合は、「もし、採用されたとしたら近くに住ませてもらえるような親戚の家はあるか」と聞く。大体はツテがあって、どこかに転がり込むことができるのだが、そうでない場合は、採用を見合わせることもある。

●家族に海外在住者はいるか。
YESの場合は採用しないことがほとんどだ。自分もその後を追って海外に行くことがもう見えている。
こちらの質問の意図までは考えないのか、「身内に海外在住者はいるか」とストレートに聞くと、全員、正直に答える。

●海外にアプライしているか。(エージェントなどに求職申請中かどうか)
YESの場合、絶対に採用しない。
これも面白いことに、こちらの質問の意図までは考えないのか、質問に対し、「はい、2社に申請中です。中近東行きの返事待ちです。」とぬけぬけと答えるヤツがけっこういる。

●この会社は10000ペソスタートだが、それでいいか。
この質問は、志願者の前の給料が15000ペソとか18000ペソというように、自分の会社の給料よりはるかに高い場合だけ聞く。8000ペソというように低い場合は、OKに決まっているので、何も言わない。
大体が「10000ペソでもかまわない」と答えるのだが、そのときの表情をよく観察しよう。一言でも、「それはもう決定か?」などと聞いてくるものは、採用しない。

●インタビュー前の書類でのチェック項目といえば、

・最後の給料でいくらもらっていたか。あまりかけ離れている場合は、インタビューに呼んでも無駄。
・現在も前の会社に勤めているのかどうか。まだ勤めている場合、元の会社から昇給のオファーなどを受けて、突然前の会社に戻ることがある。逆に、無職になってからすでに3ヶ月とか半年たっている人間は、前の給料より低くてもあまり気にしないで働いてくれることが多い。
・ジョブホッピングが激しくないか。毎年転職しているような人間は採用しない。

●また、自分で決めた禁止事項として、
・「眼がきれいだから採用」
・「やる気がありそうだから採用」
といった主観的判断は絶対にしない。
ところが、人間50才を過ぎると、こういう判断をしたがる人がなぜか多い。「俺も、あの子は眼もきれいだったし、伸びると思ったんだよね」などとしたり顔で言う人がいる。
しかし、初めて会った人間との面接で、本人の内面を知ることなど「絶対に不可能」。
ましてや、フィリピン人。相手に好印象を与えようとするのは世界一うまい。
そういうのにだまされるから、カラオケの女の子が自分に気があると思って貢いでしまったりするのだ。