オフィシャルレシートがなくなりINVOICEによる発生主義へ

2024年4月11日にBIRより、重要な税制改正であるRR No.7-2024が発行されました。

全ての事業者様に関わる変更として

① オフィシャルレシートが廃止され、オフィシャルインボイスに1本化されます

② VATは現金ベースでしたが今後、発生ベースへと変わります。今まで、小売業はInvoice、サービス系は現金の受領(Receipts)をもってVATの支払い・受取りを認識をしていましたが、今後Invoiceベースに1本化されます。

それに伴い、オフィシャルレシートというものは単なる補足帳票という位置づけに格下げされ、事実上、あっても無くても良いものとなりました。

その代わり、Official Invoiceが正式な帳票となり、売上やVATなど全ての認識のベースとなります。この改正は、フィリピン国内で売上がある事業者様にとっては問題で、つまり10万ペソの請求書を一旦発行したら、その代金を受け取ったかどうかに関わらず、1.2万ペソのVATの支払い義務が発生することになります。VATの支払いは3ヶ月に1度ですので、長くて3ヶ月は猶予がありますが、それ以上入金が遅れる場合は、手元の現金から持ち出しで納税することになります。

支払う側としては、今まで業者に「ORをくれ」と言っていたのが「Invoiceをくれ」と言葉が変わります。
特にフィリピン国内で売上がある事業者様は、払ったVATを登録しなければなりませんので、これからは「オフィシャルレシート」ではなく「Official Invoice」をもらわなくてはなりません。

Official Invoiceを持っていない事業者は、2024年の12月31日までは、手元の未使用のオフィシャルレシートを横線で消して”Invoice”と書き込めば、オフィシャルインボイスとして使えるとのことです。

会計はもともと発生主義で、税務はVATだけが現金主義だったのですが、この改正により、会計と税務の両方が発生ベースとなります。

小売とサービス系とで税務が違う、という気持ち悪さもなくなるので、良い改正ではあるのですが、国内売上がある場合は回収を早める必要がありそうです。

 

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